大阪府狭山市のアパートに引っ越してきたばかりだという一人暮らしの男性から、洗面台のつまりで困っているのとのご相談をいただきました。洗面つまりは基本的に髪の毛や微細なゴミなどが蓄積して起こるものですから、引っ越したばかりの部屋でのトラブルには別の問題が起こっている可能性があります。実際にお話を伺ってみると、大家さんからは前の入居者が退居したあとに水道関係も含めた部屋の洗浄作業を行なっていると説明を受けたとのことです。問題の洗面台で試しに水を流してみると、確かにすぐに水が溜まっていってしまい完全に引くまで数分も待たされてしまいます。排水口の蓋を外した場所にはヘアキャッチャーと呼ばれるゴミ取り用の部品が付いているのですが、これは確かにきれいに掃除されていました。そうなると、若干水の臭いが強いことと併せて洗面台下のS字トラップが怪しいようです。S字トラップはその名の通りS字に折れ曲がった配管で、ここに水を溜めることで下水から汚れや臭いが上がってくるのを防いでいます。しかしその形状ゆえにつまりを起こしやすく、定期的に専用のワイヤーブラシや溶剤を使った本格洗浄が必要です。今回のケースの場合、恐らく入居者様が代わるたび簡単な洗浄作業を繰り返していたことで、長い時間をかけて逆にS字トラップの汚れが悪化していることに大家さんも気付かなかったのでしょう。
これはブラシによる掃除だけでなく実際にS字トラップを取り外して直接洗浄した方がいいだろうと、お客様から大家さんにも確認を取っていただき作業に入りました。排水が部屋の中に漏れると臭いが残る恐れもあるため、慎重に内部の洗浄を進めました。長年溜まったゴミのぬめりは手強かったものの、作業を終えて配管を元に戻し最後に蛇口から水を流します。すると無事正常に排水されることが確認できました。ブラシや溶剤のみでの洗面つまり解消作業と比べて手間はかかってしまいましたが、これで安心して暮らせるとお客様には満足いただけたようで何よりです。